女性の「太眉」復活 自己主張控えめ、薄く自然に

女性の「太眉」復活 自己主張控えめ、薄く自然に

産経新聞 11月26日(月)9時53分配信

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旬の薄太眉メークで自然に若々しく(資生堂提供)(写真:産経新聞)

女性の太い眉毛が復活している。ただ、バブル期の黒々と力強い太眉とは対照的に、自己主張を抑えた「薄太眉」がトレンドだ。濃太→細→薄太とおよそ10年周期で推移してきた女性の眉は、世相や気分を映し出している。(重松明子)

貝印は4月、眉メーク補助具、アイブローガイドとテンプレート(各735円)を薄太眉仕様にリニューアル。女性用だけで半年足らずで3万個出荷と好調 だ。ガイドで眉毛を整えた後、テンプレートを密着させ、眉頭から眉尻にかけて徐々に淡くなるよう色を乗せていくと、ナチュラル風の太眉が完成。眉頭の先端 は描けないように塞いであるのがポイントだ。

「元からしっかり毛のある眉頭まで描くと、貼り付けたような不自然な眉になってしまう。個人の毛流れを生かしたうぶ毛感のある自然な眉が好印象です」 と、プロデュースしたメークアップアーティストの尾花けい子さん(38)。若い頃は細眉全盛だった。「線のように細く抜いていたせいか、眉が太く生えてこ ないという悩みを持つ人も多い。しかし、細いままだと古くさく老けてみえます。そのうえ、眉を細くするとまぶたの面積が広がり相対的に目が小さく見えてし まう」と注意を促す。

今は眉毛の過渡期。個人の顔立ちに適したメーク術を美容部員が指導する「パーソナルビューティーセッション」が人気の、東京・銀座「シセイドウ ザ ギ ンザ」でも眉メークのリクエストが増えているそうだ。ここでは、独自の分析機器に顧客の顔写真を取り込み、画面上で眉の太さやアーチ角度などをシミュレー ション。最も美しく見える眉を提案する。「髪や瞳の色との調和も大切。もともと眉毛が濃く主張しすぎる方は、ゴールドや茶系の眉マスカラで色味をソフトに 抑えるとよい」と統括の沢田保子さん。

年末パーティーシーズン向けのアイメークレッスン(60分、1万2600円)は、付けまつげの指導付き。ギャルのイメージのある付けまつげだが、目幅に 適したナチュラルタイプを正しく付けると、自然に華やかな顔立ちになるという。そこでも、「目のカーブに合ったヌケ感のある太眉がポイント。ふんわりした 眉とチークで、目元が生きてきます」と沢田さん。

カネボウ化粧品美容研究所でトレンド調査分析に携わる平尾清香さんは「約10年周期で変化してきた眉毛は、女性の立場や気分を反映している」と指摘。 1985年のプラザ合意が起点とされるバブル期の濃太眉は、同年成立の男女雇用機会均等法に触発された女性の「強さと上昇志向」。次の10年のコギャル世 代に代表される技巧をこらした細眉は「自分探し」。そして今の薄太眉は「空気を読み、無理をせず、自分だけ目立ちたくない気分。特にゆとり世代の“気を 使ったゆるさ”が表れている。過去の眉毛に比べて、子供っぽい、ピュア、おとなしい印象です」と平尾さん。

宮崎あおいさんらナチュラル眉毛の女優の活躍をきっかけに3年ほど前から広がってきたそうだが、「今後は目立った流行がなくなり、素の眉毛を生かした薄 太眉が増えていく」と予測する。とはいえ、昆虫の触角のようだったり、左右の眉頭を接近させたり…他人から見たらおかしな眉の女性もたまに見かけることが ある。「そのような方は自身の眉に強いこだわりがあり、アドバイスを受けても元に戻ります」と前出の沢田さん。抜く描くで、自在に変えられる眉毛は時代も 人物も強烈に反映。取り扱いは慎重に?