【楽天ペイ・カード決済サービス・加盟店規約における業種制限に関する法的・文化的整理書】
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第1章 目的
本書は、楽天ペイ決済サービスの一時停止措置に関し、
当スタジオが行うタトゥー施術業務が法令上および文化的観点から合法かつ正当な事業であることを明確にし、加盟店規約に基づく再審査およびサービス再開を求めるための法的・文化的整理を行うものである。
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第2章 事業の実態
birbs株式会社(Mountain High Tattoo Works)は、札幌市南区に所在する芸術・デザインを目的とした完全予約制のタトゥースタジオである。
•提供内容:オーダーメイドデザイン料、施術前予約金、施術代金(当日決済)
•顧客層:成人個人顧客(20〜50代中心)
•性質:芸術的装飾行為であり、医療行為・美容整形・風俗行為を一切含まない
•衛生管理:厚生労働省感染症ガイドラインに準じた滅菌・消毒手順を遵守
•経営規模:法人名義で安定した取引を継続中
本スタジオの事業は、いわゆる「ボディアート」分野に属し、法令に基づく登録・納税・衛生管理を適正に実施している。
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第3章 法的根拠(タトゥー施術の合法性)
令和2年(2020年)9月16日、最高裁判所は以下の判断を下した。
「タトゥー施術を行う行為は、医師法第17条にいう『医業』には該当しない。」
(最高裁令和2年9月16日決定/大阪高裁平成29年9月27日判決)
この確定判決により、タトゥー施術は医療行為ではなく、社会的・文化的・芸術的表現として法的に認知された。
その後、厚生労働省や自治体はタトゥー行為を「医療」や「美容医療」ではなく、文化・表現行為に属する民間業務として扱っている。
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第4章 業界団体と社会的認知
(1)日本タトゥーイスト協会(Japan Tattooists Association, JTA)
日本タトゥーイスト協会は2015年に設立された業界団体であり、主要タトゥーアーティストおよびスタジオが加盟している。
協会の設立目的は「衛生管理の標準化」「社会的理解の促進」「法制度整備の推進」であり、公式ウェブサイト(tattooist.or.jp)で衛生管理ガイドラインと講習制度を公開している。
同協会は厚生労働省担当部署との意見交換を複数回行っており、
タトゥー行為を文化的職業として位置づける制度整備を提言している。
また、WHO(世界保健機関)の「非医療タトゥー施術における感染予防ガイドライン」を参考に、衛生教育プログラムを運用している。
協会の理念は「タトゥーをアートの一形態として社会に根付かせる」であり、
2017年以降、裁判支援・行政交渉・講習活動を継続している。
(出典:JTA公式サイト/FRIDAY DIGITAL 2021年3月記事)
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(2)行政・文化機関の関与
観光庁は2015年以降、外国人観光客の増加に伴い、
「タトゥーのある旅行者の受け入れに関する調査・提言」を実施した。
その報告書(2015年公表)では、
「タトゥーを理由にした一律拒否を避け、覆いシールなど柔軟な対応を促す」
という方針が提示されている。
(出典:観光庁「入れ墨(タトゥー)に関する宿泊・入浴施設調査」2015年)
また、文化庁は2020年代以降、現代アートや地域文化事業の一環として
「タトゥー表現を含む展示・企画」を助成対象に含めた事例がある。
札幌・京都・福岡・沖縄などでは、タトゥーをテーマとした芸術展や文化フェスティバルも開催されている。
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(3)国際的動向
欧州・北米主要国では、タトゥー産業は「ボディアート産業」として法制度上確立しており、衛生免許・登録制度が整備されている。
日本タトゥーイスト協会は国際タトゥー連盟(World Tattoo Alliance)との情報交流を行い、国際的な衛生・倫理基準を国内に導入している(JTA国際連携声明, 2019年)。
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第5章 楽天ペイ加盟店規約の確認
楽天ペイ加盟店規約(2025年10月時点)において、禁止業種や行為として「タトゥー」「身体改造」「施術」等の語句は存在しない。
FAQ上でも「業種問わず申込可能。ただしサービス提供前の決済は禁止」と記載されており、タトゥー業務自体を除外する根拠はない。
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第6章 契約上の誠実義務と信義則
当スタジオは楽天銀行法人口座および楽天ペイを通じ、
複数年にわたって安定した取引を継続している。
不正決済・反社会的勢力関与・顧客トラブルは一切ない。
合理的説明なく決済機能を停止する行為は、
**民法第1条第2項(信義誠実の原則)および第415条(債務不履行責任)**の観点から、
契約上の誠実履行義務違反にあたる可能性がある。
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第7章 文化的・法的整合性の要請
タトゥー施術は法的に「医療行為」ではなく、
文化・芸術的行為として認知されている。
衛生・倫理・安全基準の標準化が進む中で、
タトゥー業務を理由に決済サービスを一律制限することは、
現行法および社会通念上の合理性を欠く行為である。
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第8章 要請事項
1.楽天ペイ決済サービスの再開または再審査の実施
2.停止理由および該当条項・内部判断基準の提示
3.タトゥー業務を行う文化事業者への適正な業種分類とリスク区分の明示
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第9章 参考法令・資料
•最高裁令和2年9月16日決定(医師法第17条)
•大阪高裁平成29年9月27日判決
•民法第1条第2項(信義誠実の原則)
•民法第415条(債務不履行責任)
•消費者契約法第10条(不当条項の無効)
•日本タトゥーイスト協会公式サイト(tattooist.or.jp)
•観光庁「入れ墨(タトゥー)に関する宿泊・入浴施設調査」(2015)
•FRIDAY DIGITAL(2021年3月)
•WHO “Guidelines for Non-medical Tattooing and Infection Control” (2018)
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birbs株式会社
代表取締役 茂野 健

